オフィス オフィス設計―TビルⅡ―

3月1日に始まった事務所ビルの新築現場は順調に進んでいます。

3月後半に杭工事が終わり、4月は基礎躯体のコンクリート打設を行いました。

今回記事はちょっと専門的な解説です。

 

杭は400φの鋼管杭。11m~15mのものを20本打ち込みます。

横浜は傾斜地が多い為地盤の支持層が流れていることが多い為、設計時の調査や施工時には十分な注意が必要です。

(マンションが傾いて問題になった現場がニュースになりましたね)

よく杭打ちと言われますが最近は上からたたいて打ち込むことはほぼありません。

今回のRZ杭は先端にスクリューのような羽が付いたもので、回転させながら地面にねじ込む工法です。

コスト的には場所打ち杭に比べて1/10~1/5になるので、設計時に建設費に配慮して検討する価値があります。

(地盤の状態にもよりますが、経験上3~4階のコンクリート造くらいが鋼管杭を使えるボーダーかと)

 

基礎躯体(基礎梁と杭頭を固定するフーチング)を造る為の掘削には

隣地側から地面が崩れないように躯体の周りに土留工事が必要です。

今回の建物のように敷地境界いっぱいに計画されているときは斜めに掘ることができない為、

横矢板を上から落とし込んで重ねていく土留壁を作ります。

2m~3mの深い基礎梁にはさながらジャングルのように鉄筋が組まれます。

今回は地下ピット(地下を空洞にした配管スペース)を作らず土で埋め戻すため、

衛生や電気配管はこのタイミングで地下に施工する必要があります。

地下をピットにするかどうかはそこに必要な配管計画や雨水処理が必要かどうかで設計時に判断します。

今回は地下水位が低いこと(水が上がってこない)と、配管が雨水2本、汚水2本と少ないことから

地下ピットの有効性が低いことで、コストを配慮して埋め戻しとしました。

一般的にピット化すると耐圧板、防水や断熱等の為にコストが余計に掛かるので、

埋め戻すよりだいぶコストが増す様に感じますが

実際は掘った土を仮置きできない現場では一回捨ててまた埋め戻し土を持ってこないといけないので、

廃棄代、運搬費、などで思ったよりコスト減にならないのが悲しいところです。

 

さて、地下躯体が終わりいよいよ今月は鉄骨の製品検査⇒建方工事と進んでまいります。

 

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